うゐらふに続く「覚えていますか?」シリーズは【A・B・Cランク】!昼休み、外で基本的な発声練習をしたあとは屋内に移動して、短文を利用しての滑舌訓練を行っていました。これらの短文を先輩に続いて復唱するのです。ここでも口の形を整えて、腹式呼吸の要領で大きく声を出すのがポイント!でした。テキストはA・B・Cと3冊に分かれていて、A→B→Cとなるにつれ高度な技術を要する文章となっていて、一年で全過程を終了していました。意図的に同じ音の集められたた文章で意味は二の次なんですが、この奇怪な文章が、そのうちふとした拍子に日常の会話に混ざってくるのだと入会当初先輩に言われました。それぞれのランクごとに抜粋してご紹介します。
Aランク
<ア>
1.あごのあばたのあと ああ似たり あの子の兄も姉もあの子も
7.相生 青い家 野葵 家葵 葵瓜 青嵐
<イ>
3.茨城生まれで鼾が大きく 右手のいぼが特徴です
<エ>
2.柄のないところへ柄をつける
<サ>
2.スマートなスタイルのスケーターと 素晴らしいスピードで滑るスキーヤー
<ソ>
4.そろいもそろって粗暴で粗忽な奴等が 倉庫の隅でそろって相談していた
<ナ>
3.生麦 生米 生玉子 二条西の洞院 西に入る
<マ>
1.まあまあ丸くまとまり まずまず結構
3.豆撒き 無免許 お前の前髪 下げ前髪
<ヤ>
3.夢の世に 夢に夢見る人 夢の人の 夢物語するも夢の中
<ラ>
3.りんりんと りんと振ったる小難刀 一振り振れば敵はさりりん
<ワ>
4.河原に降りて 鰯雲を仰ぐ 我が国の俵 私の瓦
<ガ>
1.乳牛の牛乳と 肉牛の牛肉を ギューギュー詰めこんだので 胃の腑がギューとなった(2種類のアクセント覚えてますか?)
<カ゜>
2.午後から薄雲が広がり 薄曇りとなる見込みであります
<ダ>
1.デレ助デレデレ デブ公デブデブ デコ坊デコデコ
<バ>
1.不気味なぶおとこが 鰤をぶらりぶらりとぶらさげて ブルドッグにかぶりつかれた
<パ>
1.パリパリのパリジャンが パンとパイを持ってきた
<拗音>
浄瑠璃太十を上演中
<その他の音>
ティーム ティーパーティ テーブルでティピカルなティーパーティが開かれた
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Bランク
<エ>
4.依枯贔屓こそ贔屓の引き倒し
<オ>
4.お門跡様のお庭のお池のお蓮のお葉に お蛙のお子がお三匹おとまりあそばして お山椒のようなお目を おぱちくりおぱちくり
<カ>
2.啄木鳥コツコツ枯欅
3.東京特許許可局長 日本銀行国庫曲
7.書きかけ書こうか 駆けっこか買い食いか 危険危険 今日が期限だ書きかけ書こう
<マ>
1.目医者と名刺屋は めいめい名士に面識があった
4.橋の下で河童子は 河童子産た 産た子も河童子 その子も河童子 親河童子 子河童子
<ヤ>
2.湯屋のゆがまぬ湯船も ゆっくりゆすると 柚子湯がゆったりゆらゆらゆれる
<ワ>
2.笑わば笑え わらわは笑われるいわれはないわい
3.わしの家のわしの木に鷲が止まったから わしが鉄砲で鷲をうったら 鷲も驚いたが わしも驚いた
<ガ>
2.御名代の宮は 午後五時五十五分 五人の隋人を伴って 御殿場に御到着
<カ゜>
2.えげつないはげのひげ面が 機嫌が悪くゲーゲー吐いた
<ダ>
1.道路上の道具類は 道路法違反であり どぶ泥を道路にまくのは 道義心の頽廃であろう
<バ>
1.馬鹿な馬車屋が 晩方のバスで バラの花びらをバラバラにしていた
<パ>
1.プディングに プスプス穴があいたと プリプリ怒るプリンス
<拗音>
3.儒者の儒者臭さは 真実の儒者ならず
<その他の音>
2.ディレッタントのディレクターが ディアポロのディレンマについて語った
4.フィルムはフィナーレに フィアンセとリンクでフィギュアーを踊るところだった
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Cランク
<イ>
1.言えば言うと言われるし 言わなければ言わないと言われるし いっそ言われるなら 言わないで言われるよりも 言って言われる方がいいと 言ってましたと言って下さいと言ってました
<ウ>
3.鵜が鮎を追いあう
<オ>
1.お綾や 親におあやまりなさい
<カ>
2.久留米の潜戸は 栗の木の潜戸 潜りつけりゃ潜りいい潜戸だが 潜りつけなけりゃ潜りにくい栗の木の潜戸だ
<サ>
2.新進シャンソン歌手総出演の 新春シャンソンショー
8.家の娘一人 お家奉公致させたさも致させたし また家に置いて 生竹の青竹茶せんで お茶たてさせたさもたてさせたし
10.梨の芯と茄子の芯は 茄子の芯と梨の芯だけ違い 茄子の芯と梨の芯は 梨の芯と茄子の芯だけ違う
<タ>
1.この竹垣に竹立てかけたのは 竹立てかけたかったから 竹立てかけたのです
<ナ>
1.ぬれねずみの盗っ人が 荷主の荷物の絹物を盗んで ぬれた着物は ぬるぬるのぬかるみに脱ぎ捨てた
5.長町の七曲は 長い七曲
<ハ>
1.椰子の実を狒狒が食い 菱の実を獅子が食う
3.羊皮紙の表紙の批評集
<ラ>
5.ローマの牢屋の広い廊下を 六十六人の老人の狼藉者が ローソクを持っておろおろ歩く
<カ゜>
3.巣鴨 駒込 駒込 巣鴨 親鴨 小鴨 大鴨
<ザ>
3.その数珠は 増上寺の僧正の数珠
<バ>
1.ベロベロの米人が ベランダのベンチで 米語をベラベラ弁舌あざやかに のべつまくなしに喋っていた
<拗音>
2.隣の茶釜は唐金茶釜だが うちの茶釜も唐金茶釜だ
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